宝彩有菜へのご質問とその回答（ホームに戻る/back）

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（質問06）

　　私は今、サラリーマンですが、近い将来自分でビジネスをやりたいと思っております。
　　と同時に、悟りたいと強く思ってもいます。
　　なんか自分でも矛盾しているようなのですが、ビジネスのイメージ瞑想もやりながら、悟りの修行もやるというのは本末転倒でしょうか？
　　それとも、悟りの修行はやりたいことをやった後に初めて歩めるといったものなのでしょうか？
　　この辺に葛藤しておりまして、うん、と納得した上で進んでいきたいと思っておりますので、お教えいただけますでしょうか？

(2000.09　 大阪府　M.鈴木さん）

（回答06）

　お気持ちよく分かります。
　悟りも大事だが、人生の意欲も大事だということですね。
　確かにそうです。隠遁したり乞食になっては面白くありません。
　人生は前向きにエネルギッシュに意欲的に進めたいものです。
　
　さて、では、その意欲があると悟れないかというと、そんなことはありません。
　逆にそのくらいの意欲がないと悟りの修行にも熱が入らないというものです。
　ですから、事業欲でもなんでも前向きな欲があっても大丈夫です。

　ただ、本当に悟ると、事業欲もその元の欲、
　例えば、どうして事業を成功させたいと自分は思うのか、などという根本の思考の条件や成り立ちなどが良く見えてしまいますから、
「なんだ、そういうことか」と、その欲に使われるのも自由、使われないのも自由になります。
　その欲が脇に置いて観れるようになると言ったほうが良いかもしれません。

　でも、その欲に使われないとしても、自分は元気ハツラツとしていられます。
　また、その欲をどんどん遂行していても、同じく自分は元気ハツラツとしていられます。
　その場合、純粋な行為者になれます。
　そのときは何をしても、実は欲からしているのではなく、愛からしていることになります。

　さて、では、実際問題として、どのように修行すればいいのかということになりますが、事業を起こそうとするにしても、何かをするにしても、苦しいとか辛いとかの気持ちが起こったときがチャンスです。
　楽しいとか嬉しいの良い気分の時はあまり修行が進みませんが、悪い感情のときは、どんどん修行を進めることが出来ます。
　悪い気分になる自分の心の働き方を観察できるからです。

　さとりとはつまり、欲をなくすことではなく、欲を良く観ることができるようになることです。
　ですから、例えば、世界征服の大欲を持っていてもその大欲を観照できていさえすれば、その欲に使われているとは言わないのです。
　大欲を持つこと捨てることの選択の自由を手にしていれば、
　持つと選択しても、捨てると選択してもそれは悟っています。

　ただ、もう一度いいますが、持つと選択して世界征服に進むのはいかにもエネルギーが必要です。
　ですから、そのエネルギーをもう充分幸せな人はなかなか出すことができません。いらない苦労をしなくても、飛び切り自分は幸福だからです。
　で、普通は世界征服には向かいません。でも、世界征服をすることが「愛」だと思えば、それを選択することも可能です。「愛」は力があるからです。
　ですから、悟った人が何か努力や力の必要なことをわざわざしているときは、間違いなく愛のためです。それしか考えられません。

　何か事業を起こそうと動くことが、自分だけお金をもうけるというのではなく、誰かを愛したり、誰かを幸せにしようとしていたり、社会の繁栄のつながること、つまり「愛」からの奉仕を発現するためにしているのなら、その方面からも悟りは近づいてきます。
　事業欲がそのようなものなら、それも悟りへのりっぱな修行になります。

　また、悟りへの実際の修行は、悟りを意識したら、直ちに始めるのが良いと思います。
　早や過ぎることはありません。
　気力体力の充実しているうちに始めるのが正解です。

（2000.09.宝彩有菜）
　

　　　　　　　　

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