宝彩有菜の瞑想のヒントとコツ 質問と回答
（No.−４7） 「智恵の完成」ができたら？ （ちろ）
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宝彩先生へ、質問があります。
「始めよう。瞑想」（知恵の森文庫）にある、「知恵の完成」です。
「智恵の完成」ができたら、肉体の欲も「消滅安寧方式」が取れるようになるのですか？
（ちろ）
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ちろ様
「知恵の完成」ですね。
肉体的な欲は、「頭」が考え出した欲ではなくて、「肉体」が発信元の欲です。
発信元から、「満足サイン」が「頭」にくれば、その欲のプラカードを倒すことはできます。
精神的な欲のプラカードを倒すために、「消滅安寧方式」が取れるようになることは、
瞑想が進んで、自分の「「頭」の働きが良く観照できるようになれば、できます。
しかし、「消滅安寧方式」ができるようになっても、肉体的な欲を消すことはできません。
瞑想するのは、無欲になる、欲に使われないということを目指しますが、それは、精神的な欲についてであって、肉体的な欲は、瞑想で消すことはできません。
肉体的な欲を、我慢、抑圧するのが上手になるのは成長です。
良いことですが、行き過ぎると健康に悪いです。
また、精神的な欲を、我慢、抑圧するのが上手になるのは、良いことですが、我慢、抑圧しても精神的な欲は消えることはありません。
かといって、精神的な欲を満足させても、その欲が消えることもありますが、消えないことの方が多いです。
あるいは、一旦消えても、すぐに復活する。
貯金が、１００万円たまると、満足していましたが、いずれ、２００万円欲しくなります。
２００万円たまると満足していましたが、いずれ、５００万円欲しくなります。
１０００万円、３０００万円、１億、５憶、と欲望は果たしなく続きます。
精神的な欲には、「満足サイン」が肉体から、来ることはありえないからです。
ですから、欲のプラカードが倒れずに、立ったままになります。
欲が止まらないということです。
精神的な欲は、我慢しても、抑圧しても、良くない。
かといって、精神的な欲は、満足させても、それでその欲が消えることもない。
では、どうするか。
精神的な欲が発生したその元から、変えなければならないということです。
元からその欲を発生させないことです。なぜ、発生するのか、その仕組みを解明することです。
「消滅安寧方式」です。知恵の完成です。
修行者はですから、自分の欲を発見したら、まず、これは、「肉体の欲」、これは、「精神の欲」と見極めながら、修行を進めることが必要です。それが最初の取り掛かりです。
選別の一つの方法は、自分が犬なら、これは欲しいのだろうかと思う手があります。
例えば、この「○○賞」は、自分が犬なら欲しいと思わないだろうな。
と考えます。犬に価値がないもので、自分には、価値のあるものは、大概、精神的な欲です。
ですから、すぐに、ああ、これは、精神的な欲だと分ります。
もう一例。
犬の前に一万円札を落としても、犬は、見向きもしません。
お金は、犬にとっては単に手垢がついた汚い紙でしかありません。価値がないのです。つまり、お金も精神的な欲だとわかります。
全部の欲が、この方式で判別がつくかどうかは、わかりませんが、迷ったときは、この手を思い出して判別してみてください。
また、肉体の欲を一番合理的に満足させるというのは、つまり、自分の身体を上手に健康に保っていこうということと同じです。肉体を甘やかせることではありません。
宝彩有菜
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