宝彩有菜の「瞑想の真髄」
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	４１２（レモン） 「悟り」の体験は、言葉では伝えられないと言われるが、それは「悟り」が複雑で説明が難しいからではない。 説明を聞く方が未体験だから、伝えがたいのだ。 「レモン」の味を言葉で伝えようとしても、「レモン」を知らない人には、どんなに言葉を駆使しても、正確には伝わらない。 しかし、「レモン」を味わった人には、簡単に伝わる。 同じように、「悟り」を言葉で伝えようとしても、「悟り」を知らない人にはどんなに言葉を駆使しても、正確には伝わらない。 しかし、「悟り」を経験した人には、簡単に伝わる。 味わって分かるものは、味わってみるのが早い。 体験して分かることは自分で体験してみるのが早い。 どうやって、どう手順をふんで体験するのかは、これは、技術であるから、言葉で説明できる。この部分を説明できないと言って省略するのは親切でない。 しかし、体験して分かることを、言葉であれこれ説明するのは、誤解や予断を持ちやすいので返って不親切だ。 レモンは、梅干しのような味だとか、お酢に似ていると言うのは、間違いではないが、知らない人は、そこから色々と想像するので、誤解や予断になりやすい。 レモンの味は、お店で「レモン」というものを買ってきて、切って口にしてみれば分かると教える方が親切だ。 それは、梅干しでもなければ、お酢でもない。 笑雲　伝　 ----------------------------------------------
	（笑雲伝、宝彩有菜の「瞑想の真髄」より。） 　（C)　All copyrights reserved Alina Hosai ,2005

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